- 「老化による物忘れ」と「認知症」の見分け方の目安
- 専門機関が推奨する「4つの具体的な対処法」
- 認知症の行動心理を理解するための「9大法則」
- 介護する自分自身の心と負担を軽くする工夫

さっき答えたばかりなのに、また同じことを聞かれる…

『もう聞いたよ』と遮りたくなる自分に自己嫌悪してしまう

これって、もしかして認知症のサインなのかな
母から同じ話を何度も聞かされる。
内心では不安やイライラを抱えながらも、どう対応するのが正解か分からず戸惑う方は少なくありません。
この記事では、専門機関や保険会社の公開情報をもとに、同じ話を繰り返す原因の見分け方と、聞く側の負担を減らしながら向き合うための具体的な接し方を紹介します。
なぜ同じ話を繰り返すのか
同じ話を繰り返す背景には、大きく分けて「自然な老化によるもの」と「認知症などの病気によるもの」の2つの可能性があります。
まずは、この2つの違いと見分け方の目安を知っておきましょう。
老化による物忘れ(自然な範囲のもの)
加齢やストレス、疲労が原因で同じ話を繰り返すようになることは、珍しいことではありません。
朝日生命保険相互会社が公開しているコラム「『同じ話を繰り返す』は認知症のサイン?原因と向き合い方」によると、老化による物忘れは多くの場合「思い出しにくくなっている状態」であり、ヒントがあれば「そうだった」と思い出せることが多いとされています。
原因と向き合い方
- 記憶障害: 新しい出来事や直近の記憶を保持しにくくなるため。
- 不安やストレス: 環境の変化などへの不安から、安心したい気持ちで繰り返す。
- 保続症状: 脳の損傷等により、思考の切り替えが困難になるため。
- 見当識障害: 時間の感覚があいまいになり、何回話したかの把握が難しくなるため。
- 強く残った感情: 詳細を忘れても、うれしさや不安などの強い感情は残りやすいため。
- 強く指摘する: 「責められた」と感じさせ、不安や混乱につながる。
- 頭ごなしに否定する: 嫌な感情だけが本人の失敗体験として記憶される可能性がある。
- 話を無視する: 孤独感につながるため、短い相づちだけでも行う。
- 否定せず話を聞く: 気持ちを受け止めて共感し、信頼関係を築く。
- 自然に話題を切り替える: キーワードを拾ったり、別の物へ関心を向けさせる。
- 早めに専門医へ相談: MCI(軽度認知障害)の段階で対策を始めることが重要。
認知症など、他の原因によるもの
一方で同コラムでは、認知症による物忘れは「体験したこと自体を忘れてしまう点」が異なると解説されています。
加えて、話を繰り返す背景には、新しい記憶が定着しにくくなる記憶障害だけでなく、不安やストレス、時間の感覚が曖昧になること、強い感情と結びついた出来事は残りやすいことなど、いくつかの要因が関わっています。
どちらか自分で判断しようとせず、「ヒントで思い出せるか」「体験そのものを忘れているか」を一つの目安にしつつ、気になる場合は専門家に相談するのが安心です。

対処法・接し方の工夫
原因が何であれ、同じ話を繰り返す親にどう接すればお互いのストレスを減らせるのでしょうか。
日々の会話ですぐに取り入れられる、4つの具体的な工夫を紹介します。
毎回、初めて聞くように応じる
同じ質問を繰り返されても、本人にとっては「初めて尋ねている感覚」であることが多いとされています。
国立長寿医療研究センターのQ&A資料「繰り返し同じことを聞いてくる場合、同じことを何度も患者に伝えるのがよいでしょうか」でも、その都度、本人が納得できるように答えることが基本的な対応として挙げられています。
「さっきも言ったでしょう」と伝えるより、毎回同じように答える方が、本人の混乱や不安を防ぎやすくなります。
話の背景にある気持ちを汲み取る
繰り返し話す内容は、本人が気になっていること、困っていること、不安に思っていることに関連していることが多いと、同センターの資料でも指摘されています。
話の内容そのものより、「何が不安なのか」「何が気になっているのか」に目を向けると、対応のヒントが見えてくることがあります。
別のことに気持ちを向けてみる
不安から同じ話を繰り返している場合、別のことに集中できる話題や作業に誘導することも、有効な工夫のひとつとされています。
散歩に誘う、好きな作業を一緒にする、といった気分転換が、繰り返しを和らげることもあります。
記録や工夫で自分の負担を減らす
毎回丁寧に対応しようとすると、聞く側の負担も大きくなります。
カレンダーやメモにその日の出来事を残しておく、家族内で対応の仕方を共有しておくなど、自分自身の負担を減らす工夫も同じくらい大切です。
こんな時は相談を
同じ話を繰り返す頻度が急に増えた、日常生活(金銭管理、服薬、火の元など)に支障が出ている、といった変化が見られる場合は、自己判断で様子を見続けず、早めにかかりつけ医や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

それでも疲れてしまう自分へ
毎回初めてのように応じ、気持ちを汲み取り続けることは、想像以上に根気のいることです。
うまく対応できず、つい強い言葉が出てしまう日があっても、決して自分を責めすぎる必要はありません。
日々の会話の工夫やご自身をいたわる習慣については[高齢者との会話が続かない理由|疲れないコミュニケーションのコツ(※内部リンク)]、離れて暮らしながら向き合っている方は[遠距離介護、頻繁に帰れない罪悪感との向き合い方(※内部リンク)]もあわせて参考にしてください。
まとめ
同じ話を繰り返す背景には、自然な老化によるものから、認知症などの他の原因まで、いくつかの可能性があります。
- 「ヒントで思い出せるか」を一つの目安にする
- 自己判断で決めつけず、毎回同じように応じる
- 背景にある不安な気持ちを汲み取る
- 別のこと(散歩や作業)に誘導してみる
気になる変化があれば早めに専門家へ相談しましょう。
そして、対応し続けるご自身の心身をいたわることも、どうか忘れないでください。
よくある質問
- 「さっきも言ったよ」と伝えてはいけないのでしょうか。
-
悪気なく伝えてしまうことは誰にでもありますが、繰り返し伝えると本人の不安や混乱を強めてしまうことがあります。可能な範囲で、初めて聞くように応じる方が、本人にとっても対応する側にとっても負担が少なくなりやすいです。
- 何回くらい繰り返したら、心配した方がいいですか。
-
回数そのものより、以前と比べて頻度が急に増えた、日常生活に支障が出ている、といった変化があるかどうかが目安になります。気になる場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してみてください。
本記事は、同じ話を繰り返す高齢者への向き合い方に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の症状の診断や治療法を保証するものではありません。ご本人の状態は一人ひとり異なります。気になる症状がある場合や対応に迷う場合は、自己判断せず、かかりつけ医や地域包括支援センターなど専門機関にご相談ください。
出典・参考
- 「同じ話を繰り返す」は認知症のサイン?原因と向き合い方|朝日生命保険相互会社
- 繰り返し同じことを聞いてくる場合、同じことを何度も患者に伝えるのがよいでしょうか|国立長寿医療研究センター
運営会社・製品開発元情報
| 会社名 | 株式会社HOPEF |
|---|---|
| 所在地 | 〒957-0105 新潟県北蒲原郡聖籠町大字次第浜1948 |
| 代表者 | 佐藤 俊彦 |
| お問い合わせ | https://memory-coffee.jp/contact/ |
| 事業内容 |
|

